Complete text -- "今頃「談合」と騒ぐなんて"
29 June
今頃「談合」と騒ぐなんて
国土交通省や道路公団発注の橋梁発注に「談合」があったとして、今大騒ぎになっている。しかし何で今頃、というのが実感である。もう何十年も、業界関係者のみならず、少しでも経済活動をした人なら誰でも、建設業界の仕事のほとんどすべてが「談合」で成り立っていることを知らない人はないだろう。それは道路、橋梁、トンネルに限らず、建設業界が行う仕事すべてにおいて行われていることである。しかも「官」がやる仕事だけでなく、「民」が発注する仕事もすべて談合である。筆者が民間会社で建設を発注する立場にあったときに、何とか談合をさせないように様々な対策を講じたがついに成功しなかった。それほどに強固な談合組織が出来上がっているのである。
官や公団からの天下り人の役割も天下周知のことであろう。それなのに何故今まで手が付けられなかったのか。日本の公取委が余りにも弱体であること、業界がバブル後も雇用者を増やし続け、700万人もの雇用を維持している重要な産業であること、政官業の癒着が強固で、検察も容易には手が出せなかったということなどによるのであろう。それが世界でも突出した公共投資比率を生み、政府部門の無駄な支出を増やし、財政赤字を膨らませてきた。今回検察がどこまで本気でこの問題の取り組むのか、国民はしっかり見守っていく必要がある。
「政治検察」という言葉がある。時の政府に都合の悪いことは捜査せず、都合のよいことだけ検察するということである。窒素ラヂカル子が今年の1月「検察の公正・公平さを疑う」という文で告発した傾向は、今でも改まっていないと思われる事例が多い。それについては稿をあらためるとして、今談合問題で検察が動き出したことの政治的な意味も考えてみる必要がある。
23:17:04 |
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