Complete text -- "花便り(98)文字通りの月下美人"

18 September

花便り(98)文字通りの月下美人

 今夜の中秋名月に合わせるように、月下美人 Epiphyllum oxypetalum の花が2輪咲いた。直径17cmほどもある大輪である。例年、開花は11時過ぎになっていたが、今年は8時頃から開き初め、10時には全開した。強烈な香りは芳香というより悪臭に近い。真夜中に咲く花の芳香は、植物にとってどんな意味があるのだろうか。夜中に咲いて、3時間ほどでしぼんでしまう。まさに佳人薄命である。この花ばかりは自分で育てていないとほとんど見る機会がないだろう。
 名月を入れて、苦心惨憺して撮った、文字通りの月下美人の写真を紹介する。05.9.18午後10時50分撮影。
  絢爛と咲き矜りたる月下美人
    一夜の命と聞くがあわれさ  中島彦治郎

23:20:21 | archivelago | | TrackBacks
Comments

inalennon wrote:

夜咲き,昼咲きにかかわらず,花の芳香は,その植物の花粉を最も有効に媒介してくれる動物の好む香りに進化すると考えられています.

夜咲き植物の送粉者としては,蛾とコウモリが二大グループです.ものの本を読むと,月下美人はコウモリに花粉を媒介してもらうと書いてあります.

コウモリに花粉媒介される花の多くは,白っぽい色,丈夫なつくりの花,大量の蜜と花粉,強い発酵臭,などの特徴を共有しているそうです.多くの夜咲きサボテンや,ドリアン(Durio)やバオバブ(Adansonia)などがそうです.
『花の自然史』(北海道大学図書刊行会)第6章「夜の送粉共生系」などを参照しました.
09/20/05 14:28:58

山岡 茂泰 wrote:

中島彦治郎の月下美人の歌はどこから採取されましたか。昔、ぼたんの苗木を三年かけて咲かせてもらいました。
04/11/06 22:26:46
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