Complete text -- "花便り(109)ホトトギス属(杜鵑草)"

15 October

花便り(109)ホトトギス属(杜鵑草)

 ユリ科ホトトギス属の植物は東アジアに16種が分布する。その内日本には11種が分布する。花は頂部または互生する葉の葉腋につく。丁度今が開花期である。花被は釣鐘形で、杯状で上向きに咲くホトトギス型と、釣鐘形で下向きに咲くジョウロウホトトギス型の2型がある。

1. ホトトギス Tricyrtis hirta
 本州、四国、九州に産する。花は葉腋に1〜3個ずつ付く。幅が広い外花被片3個と狭い内花被片3個とから成る。花被片だけでなく、花糸と花柱にまで紅紫色の斑点があり、これが鳥のホトトギスの胸の斑点に似ているので名付けられた。雄しべと雌しべの形がユニークである。ここに挙げたのはほとんど白花に近いもの。05.10.12撮影。


最近は純粋のホトトギスより、種間雑種とされるリンドウ咲きのものが多い。ホトトギスが上から下まで多くの葉腋に花が付くのに対し、リンドウ咲きは茎頂に多数の花が集中して付く。05.10.15撮影。ただし似たような花の付き方をするタイワンホトトギスというのがあって区別が付きにくい。
>
 
 類似種のヤマホトトギス T. macropoda およびヤマジノホトトギス T. affinis のよい写真はまだ撮れていない。

2. キイジョウロウホトトギス Tricyrtis macranthopsis
 上臈はすでに死語であるが、上流人あるいは貴婦人をいう。花の上品さを称えた名。ジョウロウホトトギス類は茎が枝垂れ、花も下向きに咲く。3種が地理的に離れて分布。ジョウロウホトトギス T. macrantha は高知と宮崎に、丹沢の岸壁にサガミジョウロウホトトギス T. ishiiana 、和歌山に、写真を示したキイジョウロウホトトギスが分布する。サガミが花が茎頂に集まるのに対して、キイは葉腋にも花をつける。05.10.13撮影。
)
23:05:13 | archivelago | | TrackBacks
Comments

kazuyoo60 wrote:

日本に11種類もあるんですね。
この花も綺麗ですね。我が家には2種類あります。
10/15/05 23:18:57
Add Comments
:

:

トラックバック