Complete text -- "花便り(72)五台山の花(1)"
07 August
花便り(72)五台山の花(1)
五台山の高山植物数十種の写真を撮ってきた。一見して日本のそれと同じと思われるものもあるが、やはり似てはいても少し違うようだというものがむしろ多い。まだ名前の見当が付かないものも数多い。これらを数回に分けて紹介する。できるだけ日本の近縁種の写真を添える。1. ウスユキソウ属(キク科)
ヨーロッパアルプスの名花、エーデルワイスに似た花が沢山咲いていた。日本にも7種ほどが存在するが、その中のどれかと同じなのか違うのか、確言できない。柔毛が多い点、葉の幅でミヤマウスユキソウLeontopodium fauriei、ヒメウスユキソウL. shinanense、ハヤチネウスユキソウL. hayachinenseなどに近いように思われる。四川ウスユキソウL. soulieiとも似ているが同じかどうかわからない。
白い花びらと見えるのは綿毛をかぶった包状葉で、その中に小さな頭状花が沢山付く。
五台山のウスユキソウ
ミヤマウスユキソウ
2. ミミナグサ属(ナデシコ科)
ミミナグサはハコベに近く、枕草子にも出てくる、日本には野原に普通に生えている草である。日本の高山にもミヤマミミナグサCerastium schizopetalumとクモマミミナグサC. schizopetalum var. bifidumがある。五台山のものは五つの花弁がそれぞれ深く2裂している点で、後者に極めて近いように思われる。
五台山のミミナグサ
クモマミミナグサ
3. リンドウ属(リンドウ科)
リンドウの名を知らない人は少なくても、ことはどうも単純ではなさそうである。朝日新聞連載の「花おりおり」によれば、流通するいわゆる「リンドウ」は、エゾlリンドウGentiana triflora var. japonica由来で、リンドウG. scabra var. buergeriとは別種だという。エゾリンドウでは頂部だけでなく、茎の途中からも花が腋生するのに対して、リンドウは茎頂だけに花が付くという。しかし「牧野新日本植物図鑑」および山渓「日本の野草」のリンドウの項には、腋生する花が描かれている。これはどう解釈するのか。
五台山のものでは腋生する花を見なかったので、これは本物?のリンドウか。
五台山のリンドウ
リンドウ
エゾリンドウ
4. アザミ属(キク科)
日本には十数種のアザミが存在する。この区別は素人には難しい。五台山のアザミが日本のどれに近いかわからない。比較のために日本のノアザミの写真を載せる。
五台山のアザミ
ノアザミ
23:03:18 |
archivelago |
|
TrackBacks
Comments
コメントがありません
Add Comments
トラックバック