Complete text -- "中欧旅行から帰って"

30 April

中欧旅行から帰って

 8日間の中欧への旅行から帰ってきた。行く先での楽しみとは対照的に、行き帰りの各11〜12時間の飛行機の中は拷問に近い。
 時差という魔物は、朝、日本を飛び立つと間もなく窓を閉めて室内を暗くさせ、睡眠を強制する。体の方はまだ昼間のリズムに従っているのでとても眠れるものではない。窓の下にはシベリア凍土の変化のある地形・風景が広がっているだろうに、それを見ることも許されない。10時間位経って目的地に着く頃になって、やっと体は睡眠を要求し始める。しかし現地時間はやっと夕方である。従って日本にいたなら徹夜をするだけの時間の覚醒を要求する。
 食事がこれまた昼食なのか夕食なのか夜食なのか、あるいは朝食なのかわからない時間に摂らされる。本でも読んでいようものなら、いきなりグイと、目の前に飲み物のコップを突きつけられる。断ればいいものを、うっかり手に取ってしまうとトイレに行きたくなる。 ところが隣の人が、飲みかけのコーヒーをテーブルに乗せたまま寝込んでいたら、トイレにも行けず、限界まで我慢させられる。
 これは本来の移動能力の200倍もの速度で移動する手段を持った人間への、24時間で1回転する地球という星の報復か。狭い椅子に座らされ、ベルトで縛り付けられて身動きもままならず、生理現象も我慢を強いられる状態は、拷問以外の何物でもない。エコノミークラス症候群になりたくないからと、同行を拒否した妻の気持ちもわかろうというものである。
 それでも好んで拷問椅子に座ったのだろうといわれればそれまでである。確かにそうなのだから。次は写真を添えて楽しかった話をすることにしよう。
 
22:22:13 | archivelago | | TrackBacks
Comments
コメントがありません
Add Comments
:

:

トラックバック