Complete text -- "小泉・武部・竹中3人衆の責任は?"

23 January

小泉・武部・竹中3人衆の責任は?

 ホリエモンが遂に逮捕された。彼を選挙の広告塔、人寄せパンダとして利用した自民党の責任は極めて重い。中でも彼に期待するとして刺客に選んだ小泉首相、ホリエモンの腕を取って、「私の弟です。私の子供です」と絶叫した武部幹事長、「小泉・竹中・堀江の3人で改革をやります」と叫んだ竹中大臣の3人は、どう責任を取るつもりか。

 小泉首相はライブドアに強制捜査の手が及んだ後での記者団の質問に、「(人の)すべてを判断するのはねえ」と言い訳をした。しかしホリエモンの考え方は、彼の著者やインタビューなどで、周知されていたはずである。「金儲けのためなら何をしてもいい」「人の心は金で買える」などという、ホリエモンの哲学を知らなかったとは言わせない。それを承知の上で選挙に利用したやり方は、まさに「選挙に勝つためには何をしても構わない」という小泉流であって、ホリエモンの哲学に相通じている。
 実は自民党の中には、ホリエモンに批判的な空気はかなり存在した。しかしそれらを振り切って、人気のあるものは利用しない手はないという考え方を小泉首相等は押し通した。実は民主党も候補者としてホリエモンを面接したが、面接中に「国民は馬鹿だから」という言葉を繰り返すホリエモンに、政治家としての適性を見いだせず、党の良識で辛うじて踏みとどまった。
 
 去年の総選挙の前に、筆者はこのblogの「自民党に投票しようとしているあなたに」という文章の中で、「その刺客の中に、『女の心も金で買える』と豪語するIT長者や、外資系証券会社の花形チーフエコノミストが含まれていることは実に象徴的です。彼らが、金を持たないあなた(失礼!)に有利になるような政治をすると思いますか。」と書いた。まさに表題の3人衆は、ホリエモンの哲学にあるような社会を作ろうとしているのである。
 それは人を見る目がないというレベルの問題ではない。勝ち組には益々有利に、負け組には益々不利になるような社会、「努力した人が報われる社会」という名の、金儲けの上手な人を持ち上げる社会、経営者の倫理など糞食らえの、目的のためなら手段を選ばない「資本原理主義」の推進、そういう哲学に基づく政治こそが小泉政治であり、竹中資本原理主義である。

 耐震偽装事件、BSEと並んで、小泉政治には一気に逆風が吹き始めた。恐らく抑えられていた自民党内部の反小泉、反竹中のムードが勢いづくことも考えられる。それが「物言えば唇寒し」の小泉政治へのアンチテーゼになるなら、国民にとってはむしろいいことかもしれない。

23:14:24 | archivelago | | TrackBacks
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