Complete text -- "花便り(4)"

03 April

花便り(4)

 クレマチス(キンポウゲ科)といえば晩春以降の花という印象が強いが、年を越えて咲くアンシュウンエンシスもあれば、今頃咲くものもある。写真上はクレマチス・アルマンディで、今盛りである。芳香あり。中国原産。テッセン(鉄線)ともいわれる普通のクレマチス園芸品種とは随分印象が異なる。むしろ同じクレマチス属で、日本に自生する秋咲きのセンニンソウに似ている。(クレマチス属は日本名センニンソウ属とも言われる)。クレマチスは一般に花弁はなく、萼が花弁様である。アルマンディは普通は5弁であるが、4弁も6弁もある。センニンソウは4弁である。

 写真中はシキミの花である。昔はモクレン科に属していたが、今はシキミ科として独立した。日本にはシキミ1種だけ自生していて、全体としても非常に小さい科である。前年枝の葉の基部に淡緑白色の花を咲かせる。ある図鑑によると赤い花があるらしい。昔から仏前や墓前に供えられたので、ハナノキの別名がある。種は有毒。

 写真下は我が家のベニバナトキワマンサク。マンサクが落葉樹なのに対して、常緑なのでトキワ、トキワマンサクが黄白花なのに赤いからベニバナ。白花も紅花も原産地は中国南東部からヒマラヤにかけて。初春、桂林に行ったとき、沢山咲いていた。今は紅花の方は普及して珍しくもなくなった。むしろ白花の方が少ない。白花のトキワマンサクが、最初に我が国で発見されたのは、伊勢神宮の神域においてであった。その後、熊本県荒尾市と静岡県湖西市で自生しているのが見つかった。

23:19:47 | archivelago | | TrackBacks
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