Archive for 11 April 2006
11 April
花便り(122)我が家の花(その3)
応接にいとまがないとはこういうことだろう。ほとんど毎日新しい花が咲いてゆく。去年と重複するものもあるが、今回は6種9枚の写真を紹介する。1.リキュウバイ(バラ科ヤナギザクラ属)Exochorda racemosa
ウメザキウツギ、ヤナギザクラ、バイカシモツケという名もある。属名をバイカシモツケ属とした本もある。この属には中国を中心に分布する4種だけが含まれる。リキュウバイも明治時代に中国から渡来したとされる。
名前としてはバラ科であることと、花の姿を考えればリキュウバイが最もふさわしいだろう。茶の湯の利休とは関係がないが、いかにも茶花としてぴったりの風情を持つ。近所では珍しいらしく、足を止めて見上げる人もいる。ひと枝失敬していった人もいたが、挿し木で増やしてくれるなら嬉しい。
この木の特徴の一つが実の形にある。普通バラ科の実はサクランボや梅などのように球形のものが多いが、この木の実は五つの稜を持ち、断面星形である。
2.ベニバナトキワマンサク(マンサク科トキワマンサク属)Loropetalum chinense var. rubra
トキワマンサクの花は白黄色であり、日本では伊勢神宮に自生が見られる。園芸的には変種であるベニバナトキワマンサクの方が普及しているようである。これも中国から導入されたものである。桂林にはこの木がたくさん生えていた。
我が家の葉は通常の葉色であるが、葉にも赤色色素が含まれている変異種があって、陽にすかしてみると赤く見えて美しい。
3.ニワザクラ(バラ科サクラ属)Prunus glandulosa cv. alboplena
我が家の花は淡紅色の八重である。蘂がないので結実しない。樹高60cmほどのか細い落葉樹。高くなっても1.5mほどにしかならないという。室町時代から栽培の記録があるというのに、牧野図鑑には、ニワウメの1変種とあるだけで、独立した項目にはなっていない。しかしとても愛らしくて鑑賞価値は高い。母種のヒトエノニワザクラは中国中部に自生するという。近縁のユスラウメもニワウメも中国原産。日本に中国から渡来した植物がどれほどあるか見当もつかないほど多い。それだけ昔から交流があったことを示す。
4.ミツバツツジ(ツツジ科ツツジ属)Rhododendron reticulatum
ミツバツツジの仲間はトウゴクミツバツツジ、トサノミツバツツジ、コバノミツバツツジなど、10数種類が本州、四国、九州の比較的狭い範囲に棲み分けて分布している。これらをまとめてミツバツツジ亜属とする分類もある。外見は皆同じようなので素人には区別が難しい。その中でミツバツツジだけは、雄しべが5本しかなく、10本の雄しべを持つ同亜属他種とは容易に区別できる。
4〜5月、まだ葉が展開する前に枝先に紅紫色の花を2〜3個付ける。樹全体が花に包まれ美しい。花芽は葉芽より大きく、花と葉が混じった混芽である。
5.シモクレン(モクレン科モクレン属)Magnolia quinquepeta
ハクモクレンが葉の展開前に開花するのに対して、シモクレンは葉の展開と同時に開花する。開いたばかりの花を逆光で撮ってみた。
6.ブドウムスカリ(ユリ科ムスカリ属)Muscari armeniacum
秋植え、春咲きの耐寒性の球根植物。アップで撮った花はなかなかの魅力である。
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