Archive for 19 March 2006

19 March

“誰が何の目的で”を追求せよ

―偽メール事件の深層は?―
 
民主党がつかまされた偽メールは、政府・与党がいわゆる4点セットでの追及をかわすのに絶大な威力を発揮した。民主党は幹部の問題解決のまずさもあって未だに立ち直れず、野党第一党の存在はなきに等しくなっている。
これほどに野党つぶしに威力を発揮した偽メールなのに、このメールを「誰が、何の目的で」民主党につかませたのか、政界でもメディアでも表だって追求しようという動きが感じられない。一体何故なのか。矛先は民主党と永田議員に向けられるだけである。しかしある政治的目的を持ってこのメールが利用されたのであれば、その罪は永田議員の比ではない。
民主党はいわゆる仲介者を公表し、その人に金を払ったかどうかも明らかにすべきである。その仲介者としてすでに実名がネット上では飛び交い、ガセネタ作りとして札付きで、週刊誌などにも同じものを持ち回ったという話もあって、金目的であるなら事は単純である。しかし本当にそうか。その後ろで糸を引いていた、あるいは金で動かした人や組織はなかったか?
小泉首相は永田議員の爆弾質問の後、早い時期に「ガセネタ」と断定した。これは裏の事情に通じていたことを意味しないか?

全く次元の違う話であるが、本ブログの、現在の政府・与党を批判する文章をねらい打ちするように、嫌がらせと思われる英文のコメントが、きわめて短時間のうちに数十通も集中する。文章はきわめて短く、ほめ殺し的な文章もある。Good job ! だの、Excellent workなどの言葉がある。これは個人の作業によるのではなく、金を使った組織的ないやがらせと見られる。
これは本ブログに限ったことではないらしい。狙われる文章は、決まって政治的で、現状批判をした文章のようである。一体誰がこれをやらせているのか。何の根拠もないので、決めつける訳にはいかないが、推理小説と同じように、これによって誰が利益を受けるかを考えれば、「犯人」を推測して誤る事が少ないだろう。

なお今の自民党は、米国に学んで、政権批判情報に目を光らせている。その中心人物が去年の選挙でも絶大な功績のあったとされる、世耕弘成議員である。「コミュニケーション戦略チーム」を率いる彼は、NTTの企業広報を担当していた広報のプロである。(彼らの考えに警告を発した文章を、一昨年の1月に、『山本一太・世耕弘成両議員の「闘論」を聴いて ―政府の情報操作はまっぴらだ―』というタイトルで「窒素ラヂカルの正論・暴論」に書いた。自民党は、政府・与党のためにならないと思われる情報は、どんな小さなものにも目を光らせて対策をとっていると見られる。選挙前にはブロガーを集めて懇談会も開いた。

 一見何の関連もないと思われる事象も、ある仮説によって結びつければ、その深層があぶり出されてくることもあるので素材として提供してみた。
                (06.3.19)

11:58:31 | archivelago | | TrackBacks