Archive for 22 September 2005
22 September
花便り(100)ヒルガオ科10種
ヒルガオ科には58属1650種が含まれる。その中でもイポメア属(サツマイモ属)が最も大きな属で約500種からなるという。しかしヒルガオ科の分類には、色々難しい問題があるようで、例えば牧野図鑑ではアサガオをPharbitis属、ヒルガオをCalystegia属、ルコウソウをQuamoclit属と細分しているが、ここでは最も単純にIpomoea属としておく。詳しくはhttp://www.genetics.or.jp/Asagao/Yoneda/taxonomy/menu.html参照。1. ヒルガオ Ipomoea japonica
日本、朝鮮、中国に分布。空き地や道端によく生えている。畑や庭に生えると厄介。地下茎をどんどん伸ばし、それが細かく切られても、その一部から芽を出して増える。よく似た種にコヒルガオ I. hederacea がある。ヒルガオが6月から咲くのに対して、こちらの方は5月から咲きだす。花柄に縮れた皺があるのもコヒルガオの特徴。05.6.19撮影。
2. アサガオ I. nil
アジア原産といわれるが、今でも突き止められていない。日本には遣唐使によって薬種として中国から入ってきたと見られている。江戸時代に様々な品種が作り出されて、色違いだけでなく、形もいわゆる朝顔型でない、桔梗咲きや花弁が分離したボタン咲きなどが作り出された。それでも半世紀ほど前には、アサガオといえば葉が3裂し、葉面に毛があるものと相場が決まっていたものだが、今は外来種のマルバアサガオやセイヨウアサガオと混じり合って、これが本当に古来のアサガオかと迷ってしまうものが多い。ここには典型的な3裂葉を持ち、中央から放射状に白線が入る曜白咲き(ようじろざき)、3裂葉と丸葉を併せ持つもの、丸葉の3種の写真を示す。それぞれ05.7.19、05.8.9、05.9.15撮影。
3. ヨルガオ I. alba
朝顔、昼顔、夕顔、夜顔のうち、夕顔だけはヒルガオ科でなく、ウリ科。その実はかんぴょうになる。ヨルガオは熱帯アメリカ原産の蔓性多年草。明治初年に渡来。夕暮れに開花し芳香を放つ。04.9.15撮影。
4. マルバアサガオ I. purpurea
熱帯アメリカ原産。江戸時代に渡来して野生化。葉は心臓形で、先端は急に尖る。花色は紅紫、赤、青、白。05.9.15撮影。
5. ホシアサガオ I. triloba
北米原産。主として西日本に帰化しているという。花弁が5裂し、葉は卵円形。05.8.9撮影。
6. ルコウソウ(縷紅草) I. pennata
縷とは細い糸のこと。細いレースのような葉と紅色の花からついた名。熱帯アメリカ原産。まれに白花がある。05.9.20撮影。
7. マルバルコウソウ I. coccinea (I. angulata)
これも熱帯アメリカ原産。広く野生化している。早朝に開いて陽が高くなるとしぼむ。05.9.15撮影。ルコウソウとの交雑種と見られるハゴロモルコウソウがあるが、まだお目にかかっていない。葉の切れ込みが両者の中間。
8. エボルブルス? Evolvulus
Evolvulusでアメリカンブルーとしてよく知られた E. pilosus とも E. glomeratus とも違うエボルブルスと見たがどうか?。05.5.20撮影。なおpilosusの写真は我が家の草花として6月に出した。
22:07:29 |
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