Archive for 11 September 2005
11 September
花便り(95)ガガイモ科4種
熱帯から温帯へかけて347属2850種が分布する。日本では導入された園芸種も含め、牧野図鑑に21種が記載されている。多年草、低木、時に蔓性、多くは茎葉から白い乳液を出す。乳液でかぶれることもあるという。花は5数性、副花冠を持つものが多い。多くが花からは想像できないように大きな袋果を作る。園芸品はほとんど外来種である。科名となったガガイモ Metaplexis japonica は、日本だけでなく東アジアに広く分布している。芋の名が付いているように、地下に芋を作り、アイヌ人は食用にする。しかしもっと目につくのは長さ10cmもある紡錘形の果実。中に長い綿毛を持つ種子がびっしり詰まっている。出雲神話の薬の神様、少彦名命はこの果実の舟に乗ってやってきたという。残念ながら写真がない。
1. ヤナギトウワタ(トウワタ属) Asclepias tuberosa
北米原産の多年草。葉が柳の葉に似ている。宿根パンヤの別名を持つのは、枕や救命胴着の詰め物にするパンヤノキの種と同様、袋果の中にある種が長い毛を持つているからである。唐綿の名も同じ。副花冠を持つ花は、赤と黄色のコントラストが美しい。04.9.3撮影。
2. フウセントウワタ(フウセントウワタ属) Gomphocarpus fruticosus
花冠は白い5弁だが、副花冠は淡紫色で複雑な形をしている。まさに風船のような袋果をつけるので、鑑賞価値がある。04.9.13撮影。
3. ルリトウワタ(ブルースター、オクシペタルム) Tweedia caerulea
ブラジル、ウルグアイ原産。基部が木質化する蔓性多年草。星形の直径約3cmの花は、美しい淡青色から日が経つと濃青色に変化し、最後にピンクから淡紫色になって枯れる。花冠の内側の青いリング状に見える(実は5個の鱗片からなる)のが、副花冠で、中央の白いものは葯と柱頭が合着した蕊柱。果実は長い紡錘形。写真はいずれも05.7.19撮影。
4. ハートカズラ Ceropegia linearis subsp. woodii
南アフリカ原産。葉がハート型で、塊根から出た細い茎が長く垂れ下がる。葉には暗緑色の地に白い不規則な模様がある。変わった形の花は見るほどのものではなく、もっぱら観葉植物として栽培される。自宅で05.9.6撮影。
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