Archive for 26 June 2005
26 June
花便り(48)ヒメコウゾの花と実
散歩の途中、雑木林の中で木イチゴの様な実がなっているのを見つけた。後で調べてみるとヒメコウゾ(クワ科)Broussonetia kajinokiの実であることがわかった。クワ科といえば、その実の特徴も納得できる。葉にも桑の葉のような2裂したものや3裂したものが混じっている。そしてその花も4月に何の花かわからぬままに撮っていた。その花を逆光で見たときの不思議な印象を覚えている。実はこの写真の中で、長い花柱を持つ花は雌花の集合体で、新枝の上部の葉腋についている。新枝の下部の球形のものが雄花であるが、逆光のためよく見えない。つまりこの樹は雌雄同株である。
ややこしいことに普通のコウゾはカジノキ Broussonetia papyriferaとヒメコウゾの雑種とされていて、学名はBroussonetia kajinoki×B. papyriferaで表される。しかもヒメコウゾの方にkazinokiが与えられている。コウゾは雑種のために、ほとんど結実しないという。
これらの樹皮はミツマタと並んで、和紙の原料として優れていることはよく知られている。papyriferaの学名はそれで与えられたのだろう。
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