Archive for 15 June 2005
15 June
花便り(41)オトギリソウ科オトギリソウ属
オトギリソウ科は世界の熱帯・温帯に47属1350種もあるという。高木から草本まで色々である。沖縄に多い高木のテリハボクもかつてはオトギリソウ科にはいっていたが、いまはテリハボク科として独立させることが多いようである。オトギリソウといってピンとこない人でも、ビヨウヤナギとかキンシバイなら知っている人が多いだろう。6〜7月はこれらの黄色い花がよく目立つ。最近はヒペリカムと呼ばれる園芸品種も増えているが、互いによく似ているので判別は必ずしも簡単ではない。
ビヨウヤナギもキンシバイも実は褐色で汚いが、最近は「ピンキーフレアー」「ミスティックフレアー」などなど、クリスマス頃の切り花として実を鑑賞する園芸品種も数多い。
1. キンシバイ(金糸梅)Hypericum patulum
中国中部原産。1760年渡来の記録があるという。高さ1mくらいの常緑低木。枝は垂れる傾向がある。花は直径3〜4cmのカップ状。雄しべは約60本づつが五つの束になっている。花糸は花弁の長さより短く、この種の花の中では短い部類。
2. ビヨウヤナギ(美容柳・未央柳)Hypericum chinense
読み方がビヨウヤナギなのか、ビョウヤナギなのか、図鑑によってまちまちである。漢字は恐らく後代の当て字だろう。学名からもわかるように中国(南東部)原産。花は日本古来種トモエソウに似て平開し、僅かながら巴型である。花びら1枚の形はやや不整形。何といってもその花糸の長さが目立つ。五つの束になっている点はキンシバイと同じ。
この写真は我が家のものだが、うどん粉病にとりつかれている。
3. ヒペリカム’ヒドコート’Hypericum 'Hidcorte'
キンシバイに似ているが花径が8cmほどもある。花の中央から見て花びらの右側に切れ込みがある。公園や街路樹の下などに利用されている。
4. ヒペリカム・オリンピカム Hypericum olympicum
ギリシャ、トルコ、中近東に自生。この写真はこれだと思われるが確かではない。
5. ヒペリカム(種名不詳)
ビヨウヤナギほどではないが花糸が長い種。花の中央から見て花びらの右側に切り込みがある。calycinumという似たような種類があるが、それは左側に切り込みがある。
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