Archive for 01 June 2005
01 June
花便り(29)イボタノキ属
イボタノキといっても普通の人にはなじみがないかも知れない。しかしネズミモチ(モクセイ科イボタノキ属 Ligustrum japonicum)ならほとんどの人が目にしているだろう。目にしていても花自体華やかさがないので、関心を持たれないかも知れない。むしろ秋にネズミの糞そっくりの紫黒色の実を付けるのには気づいている人が多いだろう。もっともネズミの糞を見たことのない人が多いかも。イボタノキ属の木は今頃花をつける。この属の木は葉も花も互いによく似ているので、区別は必ずしも簡単ではない。最初の写真はネズミモチである。学名はjaponicumとなっているが、中国原産。明治の初期の導入された。花序の長さは5〜12cmでイボタ系よりやや大きめ、葉には鋸歯も毛もない。雄しべと花柱は花筒から少し突き出る。
次はイボタノキ (L. obtusifolium)。花序の長さは2〜4cmで、同属の中では最も小さい。雄しべは花筒から僅かに出るくらい。最も大きな特徴は他種と違って葉の先が丸みを帯びていること。これは写真でもよくわかるはず。葉の長さは2〜7cm。
最後はオオバイボタ(L. ovalifolium)。名前の通り葉が4〜10cmと、イボタノキより大きい。表面の脈がイボタノキよりはっきりしている。花序も長さも5〜10cmと大きい。葯は花筒からかなり突き出る。花期が他種より少し遅いので、この写真はほとんどが蕾である。
この他トウネズミモチ、ミヤマイボタ、サイゴクイボタ、オキナワイボタがあるが、写真を示せない。
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