Archive for 14 April 2005

14 April

花便り(9)

1.カナクギノキ(クスノキ科クロモジ属)Lindera erythrocarpa
高さ15mにもなる落葉高木。雌雄異株。花便り(5)で述べたアブラチャンと同属。葉の展開と同時に開花する点、アブラチャンと異なる。黄緑色の小さな花が10個ほど集まって咲く。その雌花が秋に、放射状に付いた直径6-7mmの果実になって赤く熟す。名前は「金釘」ではなく、成木の樹皮がはがれた模様からの「鹿の子木」がなまったもの。宮崎県椎葉村では大晦日から正月7日まで、いろりの火を絶やさないように燃やす「ひのとぎ」に、カシと共にこの木を使うという。

2.ニワザクラ(バラ科サクラ属)Prunus glandulosa cv. Alboplena
庭の片隅にかぼそい、高さ50cmくらいの木が生えていた。その木に今年初めて花が咲いた。それも実に愛らしいピンクの花であった。蕾の時はシジミバナのような感じであった。名前を調べるのに苦労したが、ニワザクラと判明した。
 室町時代から栽培の記録があるそうである。サクラと名が付いていても、成木でも高さ1.5mくらいにしかならないという。狭い我が庭では好都合である。今日この種にしては大きい、幹の直径3cmくらいの木を近くの家で見つけた。花の直径1.5cm程度。花色は白か淡紅色。多くは八重で実がならないが、中には一重もあって結実し食べられるという。

3.シロヤマブキ(バラ科シロヤマブキ属)Rhodtypos scandens
もう普通のヤマブキも咲き始めたが、今日初めてシロヤマブキを見つけた。去年の実を付けたまま花が咲いていた。シロバナヤマブキというのもあってややこしいが、属も異なる。本種は1属1種。ヤマブキは葉が互生、花が5弁であるのに対し、本種は葉が対生、花が4弁。しかも花弁の大きさが異なる不整形の花が多い。
 果実は長さ7mmの楕円形で、4個集まって付く。実生でよく発芽するというが、我が家の試みはまだ成功していない。

22:51:19 | archivelago | | TrackBacks