Complete text -- "法律が悪いのか裁判官が悪いのか"

20 May

法律が悪いのか裁判官が悪いのか

 18日の東京高裁は、票格差が5.13倍となった昨年7月の参院選の定数配分を違憲として、東京、神奈川、千葉の3選挙区に住む弁護士11人が起こしていた訴訟で、請求を棄却した。
 最高裁も含めて、裁判所はいつまでこんな馬鹿な判断を示すのか。法律が悪いのか、裁判官が悪いのか。民主主義の基礎は、誰もが平等な選挙権を行使することであるはず。それを5倍以上の格差があっても「到底見過ごすことができない程度に至っているとはいえない」というアホな結論がどうして出てくるのか。
 外国では格差が2倍以上にならないように是正することは常識である。確かにいまの県単位では、定数を人口比で割り振れば、3年ごとの選挙で選挙ができない県が出てくる。それなら県を合併しても、定数是正をするのが正当ではないか。判決は「立法府が果たすべき責務を放棄し、漫然と状況を放置しているとはいえない」とも述べた。戦後民主主義が始まって60年にもなるというのに、いまだにこんな許し難い格差を放置しているのが、どうして怠慢でないといえるのか。
 過大な地方議員の数がその是正を阻んでいるのであろう。それなら司法がそれをチェックするのが三権分立の精神であろう。それもできない司法とは一体何なのか。余りにも政治に遠慮する司法は、自らその価値を下げているのではないか。諫早干拓差し止め訴訟での高裁の判断にも同じことがいえる。
11:41:24 | archivelago | | TrackBacks
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