Archive for 03 June 2005

03 June

花便り(31)マメ科木本

 春から今頃にかけて咲くマメ科木本は数多い。

1.レダマ Spartium junceum
地中海沿岸原産。300年ほど前に渡来。エニシダの枝が垂れ下がるのに対し、これは直立する。花は大型で芳香を放つ。


2. ホオベキエニシダ (エニシダ属 Cytisus scoparium f. andreanus)
両翼弁に赤い頬紅を付けた派手なエニシダである。19世紀末、フランスのノルマンディ地方で発見されて急速に広まった。エニシダとの間の交配種も多い。


3. ハリエニシダ (Ulex europaeus)
 小石川植物園にあったもので、手元の図鑑の何れにも記載がなく由来も何もわからない。


4. ソウシジュ(相思樹、台湾アカシア)(Acacia confusa)
 台湾・フィリッピン原産。台湾では街路樹としてよく植えられているそうである。葉は発芽したての若枝にだけあって早く落ちるとのこと。現在葉のように見えているのは葉柄で、仮葉といわれる。葉の腋に直径1cmほどの球形で黄金色の頭状花序をつける。花はミモザやギンヨウアカシアによく似ている。


5. キングサリ (Laburnum anagyroides)
 南欧原産。黄色い藤の花の印象。この写真は2階の屋根に達するほどの高さの木に咲いていた。手持ちの望遠レンズで撮ったので細部がよくわからないのは残念。最近では園芸店でもよく見かけるようになった。美しいが有毒植物。


6. ムラサキセンダイハギ (Baptisia australis)
最近朝日新聞連載の「花おりおり」で紹介された。ハギの名は付いてもハギ属ではなく、センダイハギとも属が違う。北アメリカ原産。木本ではなく多年草なので厳密には今日のタイトルの範疇をはずれる。小石川植物園で撮影。


7. イタチハギ(クロバナエンジュ)(イタチハギ属 Amorpha fruticosa)
 北米原産。大正時代に渡来。花弁は黒紫色で葯は黄色。ちょっと気味が悪いところをイタチになぞらえたものか。これも小石川植物園で撮影。


8. ハリエンジュ(ニセアカシア)(ハリエンジュ属 Robinia pseudoacacia)
 北米原産。明治初期渡来。街路樹にも使われる。分類学的にはアカシアともエンジュとも近縁ではない。


9. ケハギ Lespedeza patens
ミヤギノハギと同属。旗弁がミヤギノハギほど長くなく、円形に近い点、葉も丸みを帯びている点で区別できる。本来は秋咲きであるが、5月から咲き始めるものがある。


10. ニワフジ? (コマツナギ属 Indigofera decora)
これがニワフジかどうか自信はない。フジとは別属別種。細いくせに馬もつなげるほど茎の強度があるコマツナギと同属。

22:56:23 | archivelago | | TrackBacks