Archive for 18 March 2006

18 March

花便り(117) 早春の花たち

 花便りも長い間絶えてしまって、自分でも何番まで出したか忘れてしまうほどであった。しかし彼岸の声を聞く頃になると、花たちはそれぞれに定められた時期に従って、我が世の春を謳歌するようになる。もう梅の盛りは過ぎ、間もなく桃、そして桜の時期が来る。
 我が家でも幾つかの花が、彩りのなかった冬とは対照的に、庭にも部屋の中にも次々に咲いて華やぎをもたらしてくれる。いまこの原稿は、スペシオ・キンギアナムの香りの満ちた部屋で書いている。
 我が庭で最も早く花を見せたのは白のエニシダであった。今はジンチョウゲが香りを放ち、ヒマラヤユキノシタ、ボケ、ヒゴスミレが咲いている。部屋の中では種々のランが咲く。
 病後初めて2週間ほど前から軽い散歩に出かけられるようになった。足に装具をつけた不格好な姿ではあるが、歩けるだけでも有り難い。1時間ほどゆっくり歩く。恐らく病気になる前の半分くらいの速さであろう。それでも春の気配は気持ちを明るくさせてくれる。デジカメを使う上で杖は邪魔になるので、持たないことにした。
 久しぶりの花便りはそうして撮った早春の花たちである。

1.ウメにメジロ
 メジロは梅の密が大好きである。我が家の梅にもメジロやシジュウカラが訪れるが、すぐにヒヨドリに追い出される。ヒヨドリはまるでこの木を見張っているようである。写真は近くの梅林で撮ったもの。06.3.5


2.サンシュユ(ミズキ科ミズキ属)Cornus officinalis
葉が出る前に開花する。今満開である。この付近にはこの木は珍しくない。写真はお寺の境内にあるものである。直径2〜3cmの散形花序を出し、黄色の小さな花を樹いっぱいにつける。この花の付き方は、やはり早春に葉が展開する前に黄色の花を咲かせるクスノキ科クロモジ属のアブラチャンやダンコウバイにとてもよく似ている。しかし花の構造はかなり違う。06.3.12と 06.3.17
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3.ギンヨウアカシア(マメ科アカシア属)Acacia baileyana
 これも今満開である。フサアカシア(別名ミモザ)とよく似ているが、葉の形で区別できる。06.3.15


4.ヒイラギナンテン(メギ科ヒイラギナンテン属)Mahonia japonica
japonicaの名は付いているが、原産は中国〜ヒマラヤで、日本には17世紀渡来したと言われる。最近は花の豪華なマホニア・メディアやセイヨウヒイラギナンテンも栽培されている。06.3.5


5.クロッカス(アヤメ科クロッカス属)Crocus ancyrensis?
 クロッカスには春咲きが多いが、写真の花は寒咲きのancyrensisだと思われる。06.3.5

15:06:07 | archivelago | | TrackBacks