Archive for 03 February 2006

03 February

老後の幸せのために自由に税金を使える幸せ

 防衛施設庁を舞台とする官製談合が連日報じられている。それによると天下りの受入数やその待遇の善し悪しで業者がランク付けされ、そのランクに従って納入量や工事量が決められるという。談合のあるなしで請負価格は2割くらいは違うらしいので、その差額に相当する税金が、役人の老後の収入確保に使われていることになる。なんともあきれ果てた話である。
 例えば岩国基地の滑走路沖合移設工事の事業費は、2400億円の巨費である。その2割とすれば500億円近い差額が出ることになる。こんな巨費が役人の天下り経費として浪費されていることになる。防衛施設庁だけでも、官製談合は今明らかになっているものだけでなく、ほかのすべての発注に付きまとっていることだろう。
 今たまたま逮捕者が出て防衛施設庁が注目されているが、官が行うありとあらゆる発注業務で官製談合が行われていると考えるのが自然である。窒素ラヂカル子が昨年6月「今頃『談合』と騒ぐなんて」という文章で書いたように、建設業界は発注者の官民を問わず、すべてが談合での受注であった。独禁法での談合への罰則が強化されることに伴って、大手建設会社5社が、今後談合から完全に足を洗うことを決意したということが報じられた。これが本当なら画期的なことであるが、今後の監視が必要である。

 それにしても官僚の金銭感覚には恐れ入るほかない。自分たちが使っている金が、税金あるいは国債という名の、将来の国民の税金だということがまるでわかっていないようである。予算として配分された後は、自分たちの金という気になるのだろう。だからこそ、その金を官製談合によって無駄に使っても、何の痛痒も感じないでいられる。こんな悪事をはたらきながら、お手盛りの褒章はちゃっかりと頂く。いい気なものである。
 この金銭感覚は、地方公務員も全く同じである。その極端なのが大阪市の役人たちである。役人天国とはよく言ったものである。自分たちの老後の幸せのために、自由に税金を消費できる幸せを、一度味わったらもうやめられない。この伝統だけは長年引き継がれて今日まで来た。今回特捜部はどこまでやるつもりなのか。一罰百戒的に、たまたま最近の談合を取り仕切った幹部を処罰するだけで終わるのか、過去に遡ってすべての談合主導者を検挙するのか。多分前者であろう。
 すべての官僚に、自分たちは税金で養われ、税金を国民から託されて使っているということを、入省の時から徹底的にたたき込むなんて、夢のまた夢か。
23:01:26 | archivelago | | TrackBacks