Archive for 23 August 2005

23 August

花便り(85)夏咲き花木6種

 夏には木に咲く花は春ほど多くない。キョウチクトウ、サルスベリ、ムクゲ、それにマメ科はすでに紹介した。次回には夏咲きアジサイ属を取り上げる予定である。今回はそれ以外の夏咲き花木6種の写真を紹介する。

1. クサギ(クマツヅラ科クサギ属) Clerodendrum trichotomum
これはすでに花便り(57)クマツヅラ科で、昨年撮った写真を紹介した。今回改めて今年の写真を紹介する。
 日本、朝鮮、中国に分布。クサギの名前の通り、葉や枝は臭い。しかし花は芳香を持つ。上に挙げた3種ほどではないが各所に咲いている。全体としても見応えがあるが、赤紫色の蕾も、長くしべを突きだした個々の花も美しい。9月頃まで咲いているので夏咲き花木として貴重である。実も美しいので秋にはまた紹介することになろう。05.8.7および05.8.9撮影。



2. フサフジウツギ(ブッドレア)(フジウツギ科フジウツギ属) Buddleja davidii
 フジウツギ属をマチン科に属させている図鑑もあるが、ここではフジウツギ科として独立させる考えを採用した。昔はよく見られた日本固有のフジウツギ B. japonicaは,今や外来種のブッドレアにすっかり取って代わられた感がある。ブッドレアはフジウツギより花序が大きく、色も多彩だからだろう。
 フジウツギ科は世界に6属160種あるという。花序の長さは20cm程。花冠は長さ2cmほどの筒型で、先端は4裂する。芳香に釣られてアゲハチョウがよく訪れるという。蝶を見るためにこの木を植える人もいるらしい。写真を撮っていたら、「挿し木をしますか」と言ってくれたが、こんなに広がる木を植える場所がないので残念ながらお断りした。
 ここでは桃色(Pink Delight?)、淡青色(Nanho Blue?)、白色の3種と、ちょっと変わった黄色のGolden Glowとを紹介する。
04.6.18撮影。


04.6.23撮影。


05.7.10撮影。


05.7.14撮影。


3. タラノキ(ウコギ科タラノキ属) Aralia elata
 春、落葉した茎の先端に出る若芽を、「タラ芽」と称して食用にする。その頃と夏のタラノキの印象はがらりと変わっている。1mほどもある巨大な奇数2回羽状複葉を茎の先端に集めて拡げている。7月にはその中央から、直径3mmほどの小さい白色花が多数集まった大型の複総状花序を出す。花弁、雄しべ、花柱とも5個。
 残念ながら開花期のよい写真がないので、まだ蕾の時期の写真を示す。05.7.4撮影。今の時期にはすでに実が付いている。
 俳諧では「タラの芽」は春の、「タラの花」は秋の季語。
  タラの花 ひろげ曇天 つつましく  伊藤凍魚


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