Archive for 21 August 2005

21 August

花便り(83)ミソハギ科3種

 ミソハギ科は熱帯から温帯にかけて20属580種あるとされる。ほとんど草本であるが、サルスベリのように木本もある。日本には10種ほど存在しているようである。

1. ミソハギ(ミソハギ属) Lythrum anceps
 日本の山野に自生する宿根草。高さは1m内外、地下茎で広がる。夏から秋にかけて、対生する葉の葉腋から、3〜5個の花をつける。6弁、雄しべ12本。05.7.1撮影。


2. サルスベリ(サルスベリ属) Lagerstroemia indica
 この属はアジア、熱帯オーストラリアに53種が分布する。中国南部原産のサルスベリは夏花木の代表。江戸時代より早く渡来したとされる。百日紅の別名があるように花期が長い。花色はピンク、白、赤。
 サルスベリの花は実に変わっている。6弁で一つひとつの花びらはほとんど円形だが、著しく皺が寄っていて、その基部が長い紐状なので、花弁一つが一つの花と錯覚しそうである。6弁全体の直径は4cmほどある。雄しべは多数だが、そのうち外側の6本は長く、葯は紫色。内側の短い雄しべの葯は黄色。雌しべは1本で、短い雄しべの上に出る。
05.8.20撮影。


3. メキシコハナヤナギ(クフェア属) Cuphea hyssopifolia
花便り(42)ですでに紹介したので、今回は白花の写真を掲載する。高さ50cmほどにしかならない半耐寒性常緑低木。米大陸に分布。東京の戸外では地上部は枯れてしまうが、春には再び芽立つ。鉢植えにして室内で管理すればほとんど周年花が咲き続ける。花の直径1cm程度。
 園芸店ではクフェアという名で売っていることが多い。しかしCuphea属にはタバコソウCuphea igneaなど、まるでイメージの違った花も売られているので和名で呼ぶ方がよいだろう。ただしインターネットではメキシコハコヤナギとしたHPもかなりあるが、ハコと呼ぶ理由が見あたらないので多分これは何らかの誤りだろう。05.6.14撮影。

21:39:06 | archivelago | | TrackBacks