Archive for 11 August 2005

11 August

花便り(75)五台山の花(4)

1. ヤマゲシ(ケシ科ケシ属) Papaver nudicaule
 利尻山に特産するケシであるリシリヒナゲシPapaver faurieiに非常によく似たケシである。五台山には相当広く分布している。ここに示した名前と学名はNPO緑の地球ネットワークのHP、「黄土高原のお花畑」による。



2. タカネナデシコ(ナデシコ科ナデシコ属) Dianthus superbus var. speciosus
 カワラナデシコの高山型とされるナデシコで、カワラナデシコほど背が高くなく、せいぜい30cmほどである。これも五台山には沢山生えている。


3. セキチク(ナデシコ科ナデシコ属) Dianthus chinensis
 アルプス原産とされるオヤマナデシコDianthus alpinus同様、花弁の中に黒いリングを持っている端正な形のナデシコである。日本にも古い時代に中国から渡ってきた。


4. ムラサキモメンヅル(マメ科ゲンゲ属) Astagalus adsurgens
 淡黄色の花を咲かせるモメンヅルに形態的にはよく似ているが、赤紫色の花を咲かせるムラサキモメンヅルは日本での分布は限られているようであるが、五台山にはかなり見られる。


5. 不明のマメ科
 ムラサキモメンヅルより遙かに多く五台山に見られるマメ科植物。クサフジやオヤマノエンドウとは形態が違うように思われる。草姿全体と花のクローズアップ写真を載せる。名前のわかる人はご教示下さい。



6. ヤナギラン(アカバナ科アカバナ属) Epilobium angustifolium
ヤナギランは北半球の温帯に広く分布するだけあって、中国と日本で違いがないようである。3000m近くでは見られず、少し下がった山腹に群生している。


7. ワレモコウ(バラ科ワレモコウ属) Sanghisorba officinalis
これも北半球に広く分布する植物なので、日中で違いは見られない。


8. ベンシンカラマツソウ(弁芯唐松草)(キンポウゲ科カラマツソウ属) Thalictrum petaloideum
 カラマツソウ属の植物は日本にも15種が自生するとされているが、写真の花がそのどれに相当するかは確言できない。花弁はなく、萼片も早落性で、白い花弁のように見えるものは、雄しべである。花糸の上部は扁平、下部は糸状である。葉の形はミヤマカラマツThalictrum filamentosum var. tenerumに一番近いように見える。ここでの名前と学名は上記「黄土高原のお花畑」に由った。


9. ヒエンソウ(キンポウゲ科オオヒエンソウ属) Delphinium grandiflorum
 正しくはオオヒエンソウと呼ぶべきだろう。ヒエンソウはConsolidaという別属で、地中海沿岸から中央アジアにかけて分布する。それに対してDelphinium属はユーラシア、北米にかけて150種余りが存在するとされている。黄土高原のものは濃瑠璃色で、有毒(上記「黄土高原のお花畑」による)。五台山の花の中でもひときわ鮮やかさが際だつ。


10. キタヨツバシオガマ?(ゴマナハグサ科シオガマギク属) Pedicularis chamissonis var. hokkaidoensis
 五台山には何種類かのシオガマ類があるようである。ここに挙げたものはその一つである。この属の中では最も花序が長く、下から咲き上がってゆき、7〜12段くらいの花をつける。ヨツバシオガマと違って、シダのように細裂する葉は4枚でなく、5〜7枚が輪生する。


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