Archive for 14 July 2005

14 July

花便り(62)キキョウ科10種

 キキョウ科は87属1950種からなり、温帯から亜熱帯にかけて分布する。ほとんどが草本である。すでに「花便り(36)我が家の草花(1)」で、ホシギキョウを紹介した。

1. キキョウ(キキョウ属) Platycodon grandiflora
 キキョウを見るといつも「きりきりしゃんとして咲く桔梗かな」(一茶)という句を思い出す。花弁の端まできりりと締まった端正な姿。俳人許六は、「野草の中におもひかけず咲き出でたるは、田家の戸によき娘見たる心地ぞする」といっている。秋の七草の朝顔は、キキョウというのが定説である。
 キキョウの花は、先端が5裂する雌蘂よりも雄蘂が2〜3日早く熟する先熟花である。開花して2〜3日は柱頭は開かず、雄しべの花粉の寿命が短いので、他の花の花粉も受けることになる。花の中の蘂を観察すると面白い。
05.7.7撮影。


2. ホタルブクロ(ホタルブクロ属) Campanula punctata
 東アジアに分布するおなじみの多年草。輪状のロゼット葉で越年する。色には濃紫色からほとんど白色まで色々。よく似た花にヤマホタルブクロがある。05.6.13自宅で撮影。
 よべの雨 蛍袋に 玉しづく (矢野潮花)
 やぶかげに ほたる袋の花咲きて 白雲光る夏は来にけり (田中俊子)


3. フウリンソウ(ホタルブクロ属) Campanula medium
 南ヨーロッパ原産の二年草。白、桃、紫など。カンパニュラと呼ばれることも多い。05.6.6撮影。


4. リンドウ咲きカンパニュラ(ホタルブクロ属) Campanula glomerata cv.   Superba
 ヨーロッパ中、北部、シベリアに分布。05.6.27撮影。


5. モモバキキョウ(ホタルブクロ属) Campanula persicifolia
 ヨーロッパ、アジア西部、北アフリカに分布。花はキキョウに、葉はモモに似ているのでこの名が付いた。キキョウと違って花は総状につく。


6. カンパニュラ・ラプンクロイデス(ホタルブクロ属) Campanula rapunculoides
ヨーロッパ原産。背が高く多花性。


7. オトメギキョウ(ホタルブクロ属) Campanula portenschlagiana
ユーゴスラビア原産の耐寒性多年草。ベルフラワーの名で流通。


8. ルリチョウソウ(ミゾカクシ属) Lobelia erinus
日本にも自生するミゾカクシ(アゼムシロ) Lobelia radicansやサワギキョウ Lobelia sessilifoliaに類似して、5回対称軸を持たず、左右対称。小さい花だが咲き揃ったところは見事である。ロベリアと呼ばれることが多い。


9. エクボソウ Pratia angulata
 似たような花がいくつかあって、写真のものがこれであるか確信は持てないが、Pratia属であることは間違いないだろう。あるいはP. pedunculata 'Alba Star'か、P. puberulaかもしれない。


10. イソトマ Isotoma axillaris
 オーストラリア原産。葉が細く不規則な羽状に裂けるので、一度覚えたら区別は容易。


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