Archive for 18 June 2005

18 June

国連主催の茶番笑劇

 日本などG4が常任理事国入りを目指して工作を繰り広げる中、アメリカが独自の改革案を出してきた。それによると、常任理事国の増加は日本+1カ国の最小限にとどめるとしている。イラク戦争に反対したドイツは除くのだという。2カ国に絞るというのなら、GDP、ODA、国連分担金の大きさからいえば、日本とドイツが妥当な線だと思うが、アメリカに楯突く国は入れないというのである。
 町村外相は「アメリカがくせ玉を投げてきた」というが、これまでG4の結束を謳ってきたのだから、まさか米案に乗るわけにはいかないだろう。これは事実上米国の拒否権発動である。ロシアはアメリカ案に乗る様子だという。
 フランスはG4案の提案国になってもよいと表明していた。中国はドイツもインドもOKだが日本は駄目だという。まさに現常任理事国がそれぞれの思惑で、互いの案をつぶし合う形である。彼らは初めから常任理事国枠の拡大に賛成な訳がなく、何の改革も実現しないことを見通しながら、味方に付けたい国へのリップサービスに努めているに過ぎない。
 全くの茶番。初めから結果のわかっているスリラーを読まされるようなもので、見ている方は最初からしらけている。町村外相は全世界の大使を集めて発破をかけたが、無駄な税金を使ったものだ。本当に常任理事国になりたいのだったら、近隣諸国の信頼を得ることに全力を集中することが先決であろう。それとは全く逆のことをやっているのだから世話はない。向こう3軒両隣と犬猿の仲でありながら、町内会の役員になろうとする様なものである。馬鹿馬鹿しいとは思わないか。
 
18:28:48 | archivelago | | TrackBacks