Archive for 16 June 2005

16 June

日本の航空会社はどうなってしまったのか

 この所日本の航空会社で、信じられないようなトラブルが頻発している。幸い今のところ大事故にはなっていないが、やはり会社の管理体制に大きな欠陥が生じているとしか考えられない。これは社長か会長が辞任して済む問題ではない。今の内に徹底した対策・改善を行わないと、いずれ悲惨な事故が起こるだろう。
 労働安全上、誰でも知っているハインリッヒの1:29:300の法則というのがある。死亡・重傷事故1件の陰には29件の軽傷事故があり、さらに300件のヒヤリとしたりハットしたりする、いわゆるヒヤリ・ハットが存在するというものである。
 したがって重大事故を無くすには、ヒヤリ・ハットを撲滅する安全活動が不可欠である。無災害を続ける企業では、そのような安全活動を地道に、かつ熱心に行っているものである。今のところ航空会社で起こっている事象はヒヤリ・ハット段階であるが、この段階でその原因を徹底的に究明し、その絶滅を図って行かないと大事故の発生は必至である。
 航空会社の経営は規制緩和による競争激化と、燃料価格の高騰によって厳しさを増している。そのために会社では恐らく「合理化・合理化」が合言葉になっているであろう。経費節減のために整備作業まで海外に委託していると聞く。その影響もあって、これまで蓄積されてきた安全確保のための整備技術水準の維持までもが困難になっていることはないか。整備だけでなく、パイロットや客室乗務員を含む「人間」のマネージメント体制も見直す必要があろう。
 多数の人命を預かる航空会社では、安全こそが第一で、それによる乗客からの信頼があって初めて成り立つ経営のはず。今のままではとても日本の航空会社の飛行機に乗る気がしない。
 
23:30:50 | archivelago | | TrackBacks