Archive for 23 October 2005

23 October

花便り(112)ユキノシタ科9種

 ユキノシタ科には世界で37属475種、日本にも21属約100種があるという。かつては現在のアジサイ科の植物も含まれていたのでもっと大家族であった。春から初夏にかけて咲く種類が多いが、今咲いているものもあるので、今年撮りためていた写真を中心に紹介する。
 
1.ユキノシタ(ユキノシタ属) Saxifraga stolonifera
 湿った岩の上などに群生することが多いが、庭にも植えられる。糸状の走出枝を出し、その先に新しい株を作る。花弁は5個あるが、うち下向きの2枚だけが大きい。上の3枚の小さい花弁は淡紅色で濃紅色の斑点がある。若い葉を天ぷらにするとおいしい。04.5.25撮影。
 非常に近縁の花にジンジソウ S. cortusaefolia がある。花の形が人の字に似ている。


2.ダイモンジソウ’紅武甲’(ユキノシタ属) S. fortunei var. incisolobata cv. Benibukou
 日本、中国に分布する常緑宿根草。花の形が大の字に似ている。本来白花であるが、園芸品種には、ここに示したような紅色や緑がかったものまである。山野草の中でも人気の品種。花期は7〜10月。


3.ヒマラヤユキノシタ(ヒマラヤユキノシタ属) Bergenia stracheyi
 中央アジアあたりの原産らしい。多く庭園に植えられる。3〜4月が花期であるが、去年は12月から咲いていた花があった。自宅で05.3.25撮影。


4.ウメバチソウ(ウメバチソウ属) Parnassia palustris
 山野の日当たりのよい湿地を好む。花期は8〜10月。05.10.12撮影。


5.イワヤツデ(タンチョウソウ) Aceriphyllum rossii
 葉がヤツデに似、岩場に生えるからイワヤツデ。蕾の頂が赤いので丹頂草とも。春先、葉に先駆けて花茎を伸ばし4〜5月に咲く。花茎の先は分枝して、集散状に多くの白花を密につける。05.4.10撮影。


6.ヤグルマソウ Rodgersia podophylla
 山地の湿った林内に群生する大型の多年草。根出葉は長柄があり、掌状5出複葉。高さ1mにもなる花茎に白色の円錐花序を出す。05.4.14撮影。なおキク科のヤクルマソウとは別種。


7.アワモリショウマ Astilbe japonica
 近畿以西の山地に自生するが、しばしば庭園に植えられる。葉は2〜4回3出複葉。初夏、円錐花序を出し、多数の小さい白花をつける。05.6.19撮影。


8.アスチルベ Astilbe × arendsii
 欧米から導入された園芸品種。赤、紅、桃、白など。我が家にも白と桃がある。自宅で05.6.20撮影。


9.セイヨウクモマグサ(ユキノシタ属) Saxifraga rosacea
 これは春にも出したが、ヨーロッパの高山に自生するものから作出された交配種。高山性であるために、夏越しが難しいとのことであったが、見事に的中して枯れてしまった。自宅で05.3.3撮影。今となっては遺影。

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