Archive for 11 October 2005

11 October

花便り(107)ヨウシュヤマゴボウ、花から実へ

 4日間の小旅行でアップロードが途切れた。 

 ヨウシュヤマゴボウ Phytolacca americana は、北米原産の大型多年草。明治初期に入ってきて野生化している。この時期、空き地などに黒い実を房状につけて目立つ存在である。ヤマゴボウ属には花弁が無く、花弁状の萼が通常5個ある。中国原産とされるヤマゴボウ P. esculenta の心皮が離生し、葯が淡紅色であるのに対し、本種の心皮は合着し、子房が小さなカボチャのように見え、葯は白色。
 秋、液果は黒紫色に熟し、潰すと紅紫色の液が出るので、ink berryと呼ばれる。昔の不正商人が、葡萄酒の着色にこれを用いたとも。全草にトリテルペノイドサポニンであるフィトラカトキシン(phytolaccatoxin,アグリコンはフィトラカゲニン(phytolaccagenin))という有毒成分を含む。モリアザミ Cirsium dipsacolepis の根をヤマゴボウとして売っているらしいので、混同してはいけない。

花と全草写真は05.6.27撮影。青い実は7.8、熟した実は9.20それぞれ撮影。




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