Archive for February 2005

24 February

レンテンローズ

 我が家のレンテンローズHelleborus orientalisが咲いた。キンポウゲ科である。日本ではクリスマスローズと呼ばれることが多いが、本物のクリスマスローズはHelleborus nigerであって、文字通りクリスマスの頃から咲き出す。これに対してレンテンローズは、キリスト教のレント(イースターまでの40日間)の頃、つまり2月頃から咲き出す。
 日本でクリスマスローズとして売っているのはほとんどレンテンローズと見て差し支えない。nigerの方はほとんど白なのに対して、orientalisの方は褐色を帯びた禄黄色を基本として、クリーム、紫紅色、黄緑、斑点入りなど多彩で愛好者が多い。
 花びらと見えるのは萼で、花弁は退化している。この萼片はしべが枯れ落ちても長く枯れずに残る。次々に花芽が上がってきて長く楽しめる。
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20 February

ユリが揺れる

 最近の科学がらみの新聞記事で最もショックを受けたのは、2月12日の朝日新聞夕刊の記事であった。ユリの語源は、風に吹かれて揺れる姿を「揺り」としたものという。そのユリが強風に曝されているというのである。「ユリ科 大揺れ」というその記事は、最近のDNAを使った研究で、今までユリ科とされていた植物の多くが、実は別系統になるという。ユリ科は少なくとも五つのグループに分解されそうだというのであった。
 花を愛でる立場からいえば、その花が何科に属していようと構わないという考えもあろうが、やはり自分の好きな花がどういう系統に属しているかは気になるところである。
 今までユリ科に属していたアマドコロ属、ジャノヒゲ属、スズラン属、オモト属、クサスギカズラ属(アスパラガス)、ギボウシ属、オリヅルラン属、ネギ属その他が、何とラン科やアヤメ科と同じ系統樹に属するというのだから驚きである。ユリ科ユリ属はその大枝から分かれた別系統で、チューリップ属、ホトトギス属が近縁で、タケシマラン属がそれに次ぎ、チゴユリ属、イヌサフラン属などが同じ枝に連なっている。
 これまで目に見える花の形態を中心にした分類には限界が見えてきたということなのだろう。実はユリを含む単子葉植物の地位自体が危うくなっているという。被子植物の中で発芽時の子葉の数で「単子葉」「双子葉」と分けていくのが分類の基本中の基本であった。ところがDNAで調べると、単子葉と双子葉は系統樹の根元から二つに分かれる形にはならず、モクレンのような原始的とされる双子葉植物の仲間から分かれた小さな枝が単子葉だという。
 これは分類学の大革命である。ユリが揺れるどころの話ではなく、植物全体の分類が見直され、進化像が明らかになり、その多様性の説明ができるようになるだろう。植物図鑑の編集も大変になるだろう。これからはうっかりその花は何科何属という話ができなくなる。しかし面白くなってきたというべきだろう。
 
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08 February

小鳥の訪れ

 最近家の周りで小鳥が増えてきた。昨日はメジロ・シジュウカラ・ホオジロ・キセキレイが、今日はコゲラが訪れた。たった一輪だけ咲いている梅の木をつついていた。不思議なことにコゲラはシジュウカラを伴っていることが多い。共生的な関係があるのだろうか。
 家近くの川では、いつもマガモとカルガモが沢山群れているが、それに混じってセグロセキレイとコサギがいた。
 立春が過ぎて気圧配置がやはり春に向かっていることを告げている。少し気が早いが、小鳥の訪れも春の前触れか。
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