Archive for 08 September 2005

08 September

花便り(94)タデ科7種

 タデ科に属する植物の花は小さくて、園芸植物は非常に少ない。しかし食用作物としてのソバ Fragopyrum esculentum、昔染料として欠かせなかったアイ(藍) Polygonum tinctoriumなど重要植物がある。ヤナギタデ Polygonum Hydropiper の本葉が出る前の赤い「かいわれ」を、赤芽と称して刺身のつまにする。少し辛みがある。「蓼食う虫も好きずき」と言う言葉は、こんな辛い葉を食べる虫もいるように、人の好みも様々という意味に使う。
 野草は少なくない。路傍の草でスイバ、ギシギシ、イヌタデ、イタドリなど馴染みの草も多い。
 今回は7種を紹介する。

1. ヒメツルソバ(タデ属) Polygonum capitatum
 ヒマラヤ原産。恐らくタデ科の中では最も広く園芸的に栽培されているものだろう。我が家の庭ではこれがあちこちに飛び火している。春ひとしきり咲き、また秋になると咲き始め、霜が降りるまで咲き続ける。近所に石垣に垂らして盛大に咲いている家がある。タデ属の葉には、しばしばV字型の褐色の模様があるが、ヒメツルソバの葉にもそれがある。自宅で05.5.1撮影。


2. オオイヌタデ(タデ属) P. lapathifolium
 本来野草であるが、タデ科の中では花序が最も大きくて美しいので、しばしば庭や花壇に植えられている。高さは2mにもなるものがある。05.9.2撮影。


3. イヌタデ(タデ属) P. Blumel
 空き地に咲いていた花である。別名アカノマンマの由来は、粒状の花を子供がままごとに使ったのだろうか。04.10.22撮影。


4. ツルドクダミ(タデ属) P. multiflorum
 1720年原産地の中国から渡来して帰化。ドクダミの葉に似ているので名付けられたが、縁は遠い。漢名何首烏(かしゅう)は、58歳まで虚弱であった何首烏が、夜、絡み合う蔓を服用したところ1年を経て白髪が黒くなったという言い伝えによる(朝日新聞 花おりおりから引用)。小石川植物園で05.5.27撮影。


5. 不明
 葉の様子からタデ属と思われる観葉植物。名前を教えて下さい。05.7.11撮影。


6. ミズヒキ(タデ属) P. filiforme
 野草だがしばしば植栽されている。小学校の国語の教科書に、ミズヒキソウを取り入れた詩があったような気がする。ミズヒキソウと名前を聞いて帰ってきたら、もう色が褪せていたというような詩だったように思うが、思い違いか。花穂を水引に喩えた名前だから、水を引いて色が褪せるようなことはないはずだが。05.7.12撮影。


7. イブキトラノオ(タデ属) P. Bistorta major S. F. Gray var. japonica Hara
 滋賀県伊吹山に多いのでこの名が付いた。小石川植物園で05.5.27撮影。

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